methinks

ツイッターの140字では書き切れないけど、フェイスブックに直接投稿するような性質のものでもないやつ。

あなたは誰?

消灯時間の過ぎた学生寮。高校2年のある夜、スマホに一通のメールが届いた。登録していないアドレスからだ。

 

「前から好きでした。明日B組で待ってます」

 

次の朝、ちょっとソワソワしながらB組の教室へ向かったC組の自分。ホームルームが始まるまで「その人」を待ったけれど、現れなかった。

 

昼休憩。食堂での昼食もほどほどに、再びB組へ。友人との会話で暇をつぶしながら、「彼女」が来るのを待った。

キーンコーンカーンコーン

午後の授業の開始を告げるチャイムが鳴った。

 

なかなか姿を明かさない相手のことで、頭はいっぱい。授業の内容は右から左へ抜けていく。5限と6限の100分間超が、数時間にも感じられた。「その人」は、いったい誰なのか。

「あのコか? それともこのコか?」

 

帰りのホームルームが終わるやいなや、一直線にB組へ行った。周りでは、一人、また一人と下校していく。「帰んないのー?」という同級生の呼びかけには、適当な理由を言ってごまかした。

夕日がまぶしく差し込む教室で、ひとり待ち続けた……。

 

次の日も、その次の日も「その人」とは会えなかった。

あのメールを送ってきたのは誰だったんだろう。面と向かっての告白に躊躇してしまった恥ずかしがり屋さん?ふざけて誰かになりすました友人?

 

「その人」は、まだ俺の前に正体を現していない。

 

The Man in Me

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